勉強の合間にマンガを読んでしまうのは、論理より感情が強いせい。

部屋にいる。一人だ。勉強の途中で、息抜きに漫画を読み始める。ハンターハンター。蟻編を読む。ちょっと読むつもりだったが、1冊が終わるまで止まらない。読み終わると次の1巻に進む。止まらない。読むのをやめないといけないと頭では思っているのに、手が止まらない。1巻、また1巻、続きが止まらない。

 

「ドタ、ドタ、ドタ。」

 

部屋に近く足音が聞こえる。それを聞いたスバルはおもむろに漫画を読むのをやめて、勉強机に座りだす。あれほど止まらなかった漫画が足音だけで止まった。実際に止めさせたのは、足音が聞こえてからの感情の変化だった。

 

「こんな姿見せられない」

「俺はちゃんと勉強できる奴だ」

「そろそろ休憩を終わろうとしてたところだ」

 

スバルがどんな言い訳を考えたのかは正確には不明だが、足音がスバルの感情を変え、行動をさせた。勉強しなきゃと論理的には思っていたが、スバルは動けなかった。

 

論理より感情の方が強い。そして、感情を動かすためには、より強い感情が効いた。